【ワダサカ論】vol.14

Vol.14 サポーターの存在

 

 

6月末から無観客で再開されたJリーグですが、7月からようやく観客を入れた試合が始まりました。もちろん大声で応援できない、人数の制限などありますが、観客がスタンドに全く居ない試合は、テレビで見ていて違和感ありましたから一歩前進と言えるでしょう。このような状況なのでいきなり元通りというのは難しいかもしれません。選手もサポーターも新しい観戦、応援スタイルに慣れる必要があります。

 

サッカーのリーグ戦は通常ホーム&アウェイ(それぞれのホームグランドで1回ずつ対戦)で行われることがほとんどです。カップ戦では、アウェイゴールルールが採用されることが世界的にも多く(CLELなど)、基本的にホームチームが有利と考えられています。

ホーム側のチームは、慣れた環境で準備できますし、移動のストレスもありません。前泊をしないチームであれば自宅でリラックスでき、前泊する場合でも大抵のチームは定宿がありますからアウェイに比べるとかなり楽です。スタジアムに到着してからもどこに何があるかすぐわかりますし、自チームのフロントの方がたくさんいます。そしてなんといってもスタジアムの芝生の状態も熟知しています。Jリーグチームではスタジアムと練習場の芝生を同じものにしているところもあります。

このようにピッチ内外で数えきれないメリットがあります。

 

ただ、今回のヨーロッパや日本での無観客試合においてホームチーム最大のメリットは「サポーターの存在」だということが明らかになったと思います。

例えば、浦和レッズのように熱狂的なサポーターに埋め尽くされた中で、試合をすることに慣れた選手たちがガラガラの埼玉スタジアムで今までのようにプレーするのは本当に難しいと思います。サポーターがいない中でいかにモチベーションを高めるか、試合のテンションを上げていくか悩んだ選手もいたことでしょう。

アウェイチームから見れば、少なくとも試合中の雰囲気という面では普段のアウェイゲームと比べて圧倒的に落ち着いて試合に臨めただろうと思います。

私がベガルタ仙台に在籍していた時の話です。ホーム最終戦後、選手とスタッフでピッチに出て場内1周しましたが、2万人近いサポーターが身を乗り出して選手に手を振る姿を見た時に、この雰囲気の中でプレーするアウェイチームは本当に大変だと思いましたし、一緒にいたコーチも「いつもビビるなって選手に言っているけど、この雰囲気はビビるのも理解できる」と言っていました。

 

それほど大切なサポーターの圧を失った今、どのようにチームをサポートしていくのかという点も含め試合を見ていきたいと思います。私の師であるベルデニックさんは「試合はサポーターのためにするものだ」とよく言っていました。

選手の皆さんには何万人というサポーターの後押しを受けていることを忘れずに素晴らしいプレーを見せてほしいと思います。