【ワダサカ論】vol.35

Vol.35 全国高校サッカー選手権

 

 

明けましておめでとうございます。

今年もサッカーに関して色々考えていきたいと思います。本年もワダサカ論にお付き合いよろしくお願いします。

 

先日、第99回全国高校サッカー選手権が終了しました。数試合見ましたが、今の高校生のレベルの高さに驚きました。決勝戦に進んだ山梨学院高校と青森山田高校の両チームをはじめ、素晴らしいチームがたくさんありましたし、能力の高い選手がたくさんいました。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大会終盤で無観客試合になったことは非常に残念でしたが、コロナ禍において最後まで試合ができたことは、選手のためには良かったと思います。

 

 

決勝戦は決勝らしい非常に緊迫した試合でした。ボールの支配率、チャンスや決定機の数などでは青森山田高校が優勢だったと思いますし、全体的な能力では山梨学院高校を上回っていたと思います。それでも勝てないのがサッカーの難しさであり面白さだと思います。もしかしたら、準決勝で大勝していたことで(矢板中央高校に5-0で勝利)、そのまま青森山田高校が優勝するだろうという雰囲気がどこかで彼らのプレーを狂わせたのかもしれません。

それでも青森山田高校は個々の能力だけでなく戦術的完成度も非常に高く、スピードやアグレッシブさもあり、見ていて非常に面白いチームでした。もし各チームの能力を数値化して比較したとしたら、ダントツで優勝していたのではないでしょうか。

 

一方の山梨学院高校は、青森山田高校が自分達よりも地力で勝っていることを理解した上で勝つための準備をし、それを徹底したプレーができたことが勝因として挙げられます。簡単なようで非常に難しいことですし、理解するだけでなく延長後半終了までその戦いを貫いた選手達の知性、精神力は素晴らしかったと思います。

 

この2チーム以外にも好チーム、好選手がたくさんいました。日本では高校サッカーが一つのピークになりがちですが、選手の皆さんにはここで終わることなく、その後も選手として順調に成長してほしいと思います。

 

 

先程述べたように好チームがたくさんありましたが、その中でも私が一番気に入ったのは新潟県代表の帝京長岡高校です。

 

私が新潟で働いているからという訳ではなく、彼らのプレーが素晴らしかったこと、技術・戦術のレベルが高いのはもちろんですが、見ているこちらが予想していなかったプレーでチャンスを作るなど、非常にアイディア豊富な攻撃を見せてくれました。スピード、パワー、アグレッシブさでは青森山田高校に劣るかもしれませんが「攻撃での意外性」という点では青森山田高校よりも素晴らしかったと思います。

それ以上に私が気に入っているのは、彼らがサッカーを楽しんでいるのが伝わってくるところです。良い意味でリラックスしているのでプレー中もしっかり周りが見えていますし、良いアイディアも生まれてきます。自分達で判断しながら責任感を持ってプレーしていました。現代社会で生きる我々が忘れがちなものを彼らは見せてくれたと思います。

 

身近に帝京長岡高校のようなチームがいることで、新潟県内の各高校は帝京長岡高校に勝つため、更なるチーム強化を行いますので高校間での競争が生まれます。各高校はチーム力を強化するための手段として選手個人間で競争を求めます。当校の高等部(開志学園JSC)も新潟県代表の座を争いながら日々切磋琢磨しています。そうやって新潟県の育成年代全体のサッカーがレベルアップしていくので、素晴らしいサッカーをみせる帝京長岡高校の存在は大きいと思います。

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もちろん競技スポーツは結果が大切ですが、確固たる哲学や積み重ねのプロセスがないと安定した結果は望めないと思います。今回の帝京長岡高校には、その哲学や積み重ねというものが存在していると感じました。

どれだけその領域に近づけるか、これが私にとっての今年のテーマになりそうです。