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【ワダサカ論】vol.18

Vol.18 現代サッカー

 

先週のワダサカ論特別編でUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦についてお話しました(特別編は コチラ  )が、今回はあの決勝戦から我々指導者が考えるべきことを述べていきたいと思います。

 

サッカーが世界中で行われ、日本人選手もたくさん海外でプレーしていますから、当然世界の中でどのように戦うかという事を指導者は考える必要があると思います。

今回のCL決勝戦も含め、現代サッカーは、よりフィジカル能力(スピード、パワーといったもの)を重視した傾向になっています。90分間プレッシングを続け、ボールを奪いに行き、奪ったら一気にカウンターという戦いでは、90分間走り切る有酸素能力、そしてプレッシングやカウンター時のスプリント能力が欠かせません。1対1でボールを奪いきるにはパワーも必要でしょう。

我々日本人は、フィジカル的な戦術よりテクニカルで細かいパスワークを好みます。もちろん日本人に適した戦い方がありますから問題はないのですが、現代サッカーの傾向を無視することはできません。選手個人しかり、日本代表チームでも世界と戦う上でフィジカル重視スタイルの相手との対戦は避けられないですし、ヨーロッパのクラブでプレーするにはそのような役割も果たさないといけないからです。

ここで重要なのは、圧倒的な強さを誇るバイエルンの戦い方をそのままコピーするという事ではなく、自分たちの強みを理解し、現代的プレーの特徴を踏まえ、どうすれば自分たちの得意なプレーを結果に結びつけることができるかを考えることです。

例えば日本人は、パワー面ではヨーロッパ勢やアフリカ勢に比べて不利ですがプレスを掛け続ける、素早いパスワークでプレッシングを回避する、規律を守ってプレーできるという面では十分対抗できるでしょう。

また、日本では一つ一つのアクションの美しさを過剰に評価する傾向があります。もちろん美しいのは悪いことではないですが、特にプロであれば最終的には勝利という結果が必ず求められます。つまり、そのアクションがチームにとって効果的かどうかをもっと考えなければなりません。

 

子供を教えているからトップカテゴリーについては関係無いと考えている指導者の方もいるかもしれませんが、育成年代の指導者もトップレベルの試合を見なければなりません。むしろ育成年代の指導者こそ注意して観戦しなければならないのです。なぜなら『未来のサッカー選手』を育てているからです。

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現代サッカーの流れを追い、未来のサッカースタイルを予測し(おそらく現在からより速く、より直線的にゴールへ向かい、ゴール前でのアクションが増えていくでしょう)、今教えている子供たちが大人になった時に活躍できるようなタレントを発掘し、適切にトレーニングしなければなりません。

 

実際に未来のサッカースタイルがどうなるかは誰にもわかりませんが、突然変異することはないですし、今のサッカーを注意深く追っていくことで、少なからずヒントは得られると思います。幸い情報網の発達により、リアルタイムで世界各地の試合を見ることができます。そのような未来のサッカースタイルを考えながら観戦する仕方も面白いと思います。