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【ワダサカ論】vol.38
Vol.38 Jリーグ史 魅力的なチーム
あと2週間程でJリーグの新シーズンが開幕します。Jリーグがスタートして27年経ちましたが、記憶に残る優れたチームが沢山ありました。その数あるチームの中で、私が特に印象に残っているチームについて今回は書こうと思います。
まず初めに思い出すのは2000年代初頭のジュビロ磐田でしょう。中山雅史選手や高原直泰選手、名波浩選手、藤田俊哉選手、服部年宏選手、福西崇史選手など各ポジションにW杯でも活躍、貢献した代表クラスの選手を数多く揃えていました。しかし、当時のジュビロ磐田の強さはメンバー構成だけではなかったと思います。チームの完成度においてはJリーグ史上でも1,2を争う精密機械のようなチームでした。
現代サッカーでは『選手同士の協力・連携』『プレーのダイナミックさ』が重要な要素と言われていますが、当時のジュビロ磐田の本当の強さもそこにあったと思います。選手同士がお互いの考えていることを理解し合っていて、チーム全体がまるで一つの生き物であるかのようにプレーしていました。
もちろん選手個人の質も高かった訳ですが、選手それぞれがどれだけ共通のイメージを持ってプレーすることに意味があるかということを、教えてくれた本当に魅力的なチームでした。
2005年のガンバ大阪は、個性的なチームだったと思います。
「3点取られたら4点取る」と言われた超攻撃的なチームは大混戦のリーグ戦を制して、リーグ初優勝を飾りました。
先ほどのジュビロと比較すると、安定感という面ではまだまだだったと思いますが、サポーターにしてみればいつ何が起こるかわからないワクワク感・楽しさはあったのではないでしょうか?逆転勝利も非常に多く、得点が多く生まれる試合は単純に楽しかったと思います。
オシム氏(元日本代表監督)が率いていた2003~2005年のジェフ市原も魅力的なチームでした。ダイナミックさではJリーグ史上歴代ナンバー1だと私は思っています。
“よく走る”という捉え方をされることが多かったチームでしたが、ただひたすら走り回ってプレーしていた訳ではありません。実は「どのタイミングで、どこに走るか」ということをよく理解していたチームでした。
選手達が“走る”ことをよく理解し、同じプレーイメージを持っていたからこそ、実際の走行距離よりも走っているように見えたのです。
2012~2013年の大宮アルディージャも印象に残っています。
もちろん、私の師であるベルデニック監督が指揮を執っていたからというのはありますが、21戦無敗のJ1記録を作りました(2012~2013シーズンまたいでの記録)。
これまで挙げてきたチームに比べて、ビッグネームが在籍していた訳ではないチームで、この記録は贔屓目(ひいきめ)無しに凄いことだと思います。このチームは、イメージの共有、明確なチームコンセプト、アグレッシブさを持っていました。これはトレーニングやミーティングを通じて、チームに落とし込まれたもので、選手の個の能力と結果を見比べるとジェフと並んでJリーグの歴史にその名を残す素晴らしいチームだったと思います。
特定のチームではありませんが、ペトロビッチ監督(現 北海道コンサドーレ札幌)は、率いた先々で魅力的なチームを作ります(サンフレッチェ広島→浦和レッズ→北海道コンサドーレ札幌)。彼もまたチームとしてのコンセプトを明確にしています。良いチームには必ず素晴らしい監督(そのチームに合った監督)がいるという事です。
昨シーズンは、川崎フロンターレが素晴らしいチームづくりで圧倒的な強さを見せつけました。
今シーズンも歴史に名を残すようなチームが出てくることを期待したいと思います。