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【ワダサカ論】vol.51
Vol.51 猛暑下での試合
今シーズン始まったばかりと思っていましたが、あっという間に夏を迎えました。北信越リーグも折り返しを迎え、後期(2ndステージ)が始まりました。
JAPANサッカーカレッジのトップチームは、後期初戦を落とし(vs FC北陸2-3)、先日の試合こそ勝利しました(vsFC.マツセロナ2-0)が、リーグ戦では前期からなかなか勝ちに結びついていません。負けたからではありませんが、日本の気候で7月・8月の日中に試合をするのは選手達のことを考えるとどうなのかなと感じます。
日中のこれだけ暑い中では選手達の良いパフォーマンスは期待できませんし、熱中症のリスクが非常に高いです。しかも地域リーグでは、人工芝ピッチで公式戦を行うことも多いので、体感温度は気温よりもさらに高くなります。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の一環として、試合会場となる施設に更衣室があっても使用不可ということがあります。そのためハーフタイムも猛暑下の野外のテント内ということがあります。
このような過酷な環境下でプレーする選手に、これ以上「走れ」と指示することはできません。
さらに北信越リーグでは、昨年は選手交代の回数について5回の交代が認められていました。しかし、今年はJリーグの形に合わせたハーフタイムを除いて交代可能回数は3回で、人数は5人と変更されました。地域リーグで5人交代が認められていたのは、「出場機会の確保」という側面がありましたし、体力的な負担も考慮されていたとは思います。それが、練習・プレー環境がより厳しくなったコロナ禍の現在(練習できない、試合中の水分補給が以前より困難になった)で、交代回数が減らされるという変更が行われたことには疑問に感じる部分があります。
近年の日本の気候を考えると、アマチュアリーグは基本的には7月・8月の公式戦は原則禁止、どうしても行う場合はJリーグのように18時以降のキックオフなどの制限が必要ではないかと思います。アマチュアチームの場合、「選手・スタッフ達は月曜日から仕事がある」こと、「前泊・後泊となるとチームの経済的負担が大きい」という2つの観点から日中であっても試合が行われてきた経緯があります。また、地域リーグの場合、JFL昇格をかけた地域チャンピオンズリーグの日程から逆算しないといけないため、非常にタイトな日程となります。
現状のままでは質の高いプレーは望めませんし、日本サッカーのレベルアップにはつながらないと考えます。
スポンサーが付いている以上、彼らに配慮する部分も必要なのは十分理解できますが、お互いに譲ることも考えなければなりません。選手がいなければサッカーは成り立ちません。そして人間の能力には限界があります。選手が良いパフォーマンスを発揮し、魅力的な試合をすることが、サッカーにおいて一番大切ですし、なによりも優先させるべきことだと思います。
現在開催されている東京オリンピックでもアメリカのテレビ局の意向で開催時期や試合時間が決まっていると言われています。スポーツがビジネスとして成り立っているからこそ我々が生活できているのは事実ですが、行き過ぎたビジネス化は自分たちの首を絞める可能性があるということも考えなければならないと思います。