【サッカーの続け方】土屋由実(水戸ホーリーホック 広報)

サッカーに関わる仕事を紹介するこのコーナー。今回は水戸ホーリーホックの広報として活躍する土屋由実さんを取材しました。クラブの一員として働くことの魅力と難しさについてお話を伺いました。

土屋由実

土屋由実(つちや ゆみ)

1992年6月9日生まれ、静岡県沼津市出身。小学校は地元の少年団、中学校はクラブチームで活動し、桐陽高校女子サッカー部でGKとしてプレー。高校卒業後にJAPANサッカーカレッジに進学し、バニーズ京都SC、FCマルヤス岡崎を経て、2020年より水戸ホーリーホック広報に。トレーニングから試合まで常にチームに帯同し、クラブの魅力を発信し続けている。

試合の熱が生み出す“一体感”を届けたい

-サッカー歴から教えてください。

「5歳の誕生日に両親からサッカーボールをプレゼントしてもらったのが始まりです。小中学校は地元の少年団、クラブチームでプレーして、高校は全国大会に出場していた桐陽高校女子サッカー部に入りました。でも自分の年代では全国に出場する夢が叶わず、高校最後の試合で悔しい思いをしたのを今でも覚えています」

-進路については?

「ずっとサッカークラブで仕事をしたいと思っていました。中学生の頃、静岡市のクラブチームに通っていたこともあり、清水エスパルスの試合を観戦に行く機会が増えました。会場で応援する全ての人が年代を問わずに一体になれる空気感が大好きで、そんな場所で仕事がしたいと思っていました。選手として中途半端に続けたくなかったので、サッカーを仕事にするためにJAPANサッカーカレッジ(JSC)への進学を迷うことなく決めました」

-JSCで学んだことは?

「アルビレックス新潟での実習を選択し、週2日はクラブハウスへインターンシップに行き、マッチデープログラムの選手紹介の原稿作成や一連の業務をやらせていただきました。またアルビレックス新潟レディースの担当をメインで行っていましたので、なでしこジャパンがW杯で優勝したシーズンに在学していたということもあり、なでしこリーグの最多入場者数を更新した試合に携われ、あの会場の熱を感じることができたのはありがたかったです」

-JSC卒業から現職までの経緯を教えてください。

「在学中にインターンシップに行っていたバニーズ京都SC(バニーズ群馬FCホワイトスターに移管)に採用していただき、運営、広報活動などクラブ全般の業務を6年間担当していました。規模が大きくないクラブだったので、トップから下部組織まで運営としての基盤づくりに携われたのは大きな経験になりました。その後クラブを離れ、JFL 所属のFCマルヤス岡崎で1年間働いた後に、縁があって2020シーズンからJ2の水戸ホーリーホックの広報として働いています」

-広報としての仕事内容は?

「チームに帯同し試合やトレーニングの模様をSNSで発信しています。ホームゲームでは広報としての運営窓口やインタビューの対応をしています」

土屋さん
ホームだけでなくアウェイでもチームに帯同し、ピッチサイドから選手の情報発信に勤しむ土屋広報。

-クラブの魅力は?

「フロントと選手の距離がすごく近いのが特徴だと思います。SNSを中心としたPRの発案を選手とコミュニケーションを重ねて取り組んでいます。選手がピッチ外での情報発信に積極的で、スタッフ全員が一体となってクラブの価値を上げていこうという空気感が好きですね」

-JSCで取り組んだことで今に活きていると思うことは?

「サッカー業界は華やかに見えてしんどいことの方が多いです。サポーターの目線だけだったらここまで続けられなかったと思います。学生のうちにクラブで働いているスタッフを近い距離で見ることができて良かったです」

-今後の目標は?

「広報としてクラブの魅力をより多くの人に伝えることです。本当にいいと思っているからこそ伝えたい。選手の一番近くにいるファンだと思って、今後もクラブの魅力を発信していきます」

土屋さん
試合の熱量、一体感を一人でも多くの人に届けるために日々奮闘している。

高校生へのアドバイス

自分の選択が間違いじゃないと言えるように
「私はサッカークラブで働くためにどうしたらいいかをずっと考えてきて、自分の選択した道が間違いじゃなかったと言えるように日々過ごしています。自分の選択に責任を持つことが大事だと思います」

ある日のスケジュール

9:00 出社メール・チャット確認
9:30 チームMTG冒頭参加&事業部朝MTG
10:00 TR撮影
12:00 取材・撮影対応
15:00 SNS更新・サイト更新・MTG・試合資料用意・動画編集など
19:00 退社
合わせて読みたい