【サッカーの続け方】長谷部 椋(横浜FCホームタウン・普及グループ)

サッカーに関わる仕事を紹介するこのコーナー。今回は、クラブと密接な関係にあるホームタウンでの普及活動に努める長谷部椋さんをご紹介します。地域が抱える社会課題に、クラブが企業や自治体・学校などと連携して、取り組む活動の内容とは!?

長谷部椋

長谷部 椋(はせべ りょう)

1997年8月生まれ、埼玉県春日部市出身。サッカーに携わることを目指して、短大卒業後にJAPANサッカーカレッジに進学。サッカービジネス科(2年制)にてJリーグクラブの営業業務を経験、ニッパツ横浜FCシーガルズの運営を経て昨年から横浜FCでホームタウン活動に尽力。

「街と共に歩むことでサッカーが地域に根付いていく」

-サッカーとの関わりを教えてください。

「小学校1年生で始めて、春日部東高校で3年生までプレーしていました。その後大学進学を目指しましたが上手くいかず、2年間短大に通った後、『サッカーに関わりたい』という思いが強くなり、JAPANサッカーカレッジ(JSC)に進学しました」

-JSCではどのような活動をしましたか?

「サッカービジネス科(2年制)は1年目から実習が多く、アルビレックス新潟のホームゲーム運営に毎週参加していました。最初の数カ月は体験期間として様々な仕事を経験し、夏頃からパートナー営業の部署に入りました。試合当日はパートナー企業の方のおもてなし、平日はクラブ事務所で企画書の作成、営業に同行させていただくなど、他ではできない色々な経験ができました」

-就職の経緯は?

「2年生の夏にアルビレックスでの実習業務を1年生にバトンタッチした後は、他のJリーグクラブや企業にインターンシップ参加しながら就職活動を行いました。その結果、ご縁があってニッパツ横浜FCシーガルズ(現なでしこリーグ1部)からお声がけをいただきました」

-就職後の業務内容は?

「最初はGMの方と2人で運営業務全般を行っていたので大変でしたが、アルビレックスの実習で色々な仕事を経験したことが活きたと感じました。2年間働いた後、昨年横浜FC に移りました。今の業務は、主にホームタウンでの普及活動です。例えば、小学校や商店街と連携して、横浜FCを知ってもらうための活動を行ったり、毎年横浜市の各区と協力して区民を試合に招待する「区民DAY」を開催し、スタジアム来場のきっかけ作りを行ったりしています。区や商店街をPRし、その区の方々をスタジアムに呼び込むために様々な取り組みを行っています。さらに清掃業を営むパートナー企業と協力し、街の清掃活動など、ホームタウンが抱えている課題解決に向けた取り組みも行っています。決して大規模なクラブではないからこそ、応援してくれる地域を大切に思い、どんな小さな課題でも真摯に向き合っていきたいと常日頃考えています。サッカーが文化となっている欧州のように、店を休みにしてでも街の人たちが試合を見に来てくれるような関係性を築くことが理想ですね」

長谷部さん
ホームタウンの横浜駅西口商店会の会合に出席する長谷部氏。
クラブの認知だけでなく、地域に根付いた課題解決をともにすることで、両者に新たな価値創造が生まれる。

-この仕事をしていてよかったことは?

「コロナ禍も落ち着き、地域の方に応援してもらっていることを実感できるようになって、より一層人との繋がりを感じられるようになりました。地道な活動となりますが、色々なところで蒔いた種が、スタジアムに来て横浜FCを応援していただくことに繋がればと思っています」

-今後の目標は?

「いずれは海外の活動に携わりたいと思っています。横浜FCは親会社がポルトガルのクラブの経営権を取得しているなど、ヨーロッパ事業の面でも環境が整っているので、チャンスがあれば関わってみたいです。日本とは異なるサッカー文化に触れながらも、逆に日本の良い文化を海外に広めていきたいとも思っています。今取り組んでいる普及活動の延長線上にあるものとして、もしチャンスが来たら手繰り寄せられるように頑張っていきたいと思います」

長谷部さん
横浜FCのサポーターでもある商店会連合会会長の宮田博幸氏と。
コロナ禍が明け開催された連合会のボーリング大会の話しに花を咲かせていた。

読者へのメッセージ

まずは自分の目でみること、そして信頼できる人に相談
「悩んだり自分の中で抱え込むだけで終わらず、自分の目で見ることや、信頼できる人に相談することが大事だと思います。学校の先生や親に相談して、自分で決めた道に進むことが、自分の背中を押し続けてくれます」

ある1日のスケジュール

1週間の業務整理等
社内グループ 定例会議
小学校巡回(普及活動)→事務作業
地元商店街の会合参加
前日準備
ホームゲーム対応
オフ

※上記記事は2023年6月時点の情報です。

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