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【JSCからS級コーチ誕生へ】サッカーコーチとしてのキャリアの積み上げ方 ~湘南ベルマーレ 宮寺哲平さん~ 前編
サッカー指導者の多くが有している、日本サッカー協会(以下、JFA)のサッカーコーチライセンス。
その最高位であり、Jリーグのトップチーム監督の要件でもある『S級コーチ』を育成する「S級コーチ養成講習会」に、JAPANサッカーカレッジ(以下、JSC)の卒業生で、J1・湘南ベルマーレU-15 EASTコーチの宮寺哲平さんが受講生として参加しています🏅
<S級コーチライセンスとは?>
プロチームや、プロ選手の指導ができる、プロフェッショナルレベルのサッカーコーチであることを証明するサッカーコーチのライセンス。
S級コーチのライセンスを有していると、日本サッカーのトップリーグであるJリーグに所属するクラブのトップチーム監督、女子プロサッカーリーグのWEリーグクラブの監督はもちろん、日本代表チームの監督として指導することが可能となります。
<宮寺さんのサッカーコーチキャリア構築・その先のビジョン>
JSCのサッカーコーチ研究科を卒業され、プロサッカーコーチとしてのキャリアをスタートされた宮寺さん。これまでの指導歴や、2024年度のS級コーチライセンス受講に至るまでの経緯、今後のビジョンについてお話を伺いました。
▼宮寺さんのサッカーキャリア▼
2015シーズン~2016シーズン AC長野パルセイロ アカデミーGKコーチ
2017シーズン 湘南ベルマーレU-15コーチ
2018シーズン 湘南ベルマーレU-15コーチ(U-14監督)
2019シーズン~2020シーズン 湘南ベルマーレU-18コーチ(2ndチーム監督)
2021シーズン~2023シーズン 湘南ベルマーレU-15EAST監督
2024シーズン~ 湘南ベルマーレU-15EASTコーチ
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【JSC卒業から、現在に至るまでの経歴を教えてください】
2015年3月にJSCのサッカーコーチ研究科を卒業し、2015シーズンと2016シーズンはAC長野パルセイロのアカデミーGKコーチとして契約しました。
AC長野パルセイロへの就職が決まった経緯は、学生の時に、B級コーチライセンスの養成講習会に補助学生として参加し、そこで当時AC長野パルセイロでコーチをされていた方と知り合って、そのつながりでアカデミーGKコーチのお話をいただきました。
実は私は、GKとしてプレーしていたのは小学生までで、中学生からはフィールドプレーヤーだったんです。
サッカーコーチ研究科の4年生の時に、当時の担任の先生から、「やりたいと思ったことを、制限かけずに自由にやってみたらいい」と言われたことで、背中を押されて、JFAのGKコーチC級(現在のGKコーチレベル1)のライセンスを取得しました。
そのGKコーチライセンスを取得していなかったら、ここまでのサッカー指導者としての道は違うものになっていたと思います。
AC長野パルセイロでは、アカデミーGKコーチという役割ではありましたが、とにかく何でもやらせてもらえたことが、今となっては良かったと思っています。例えば、1日の流れで言うと、
9時~保育園での巡回指導、お昼に事務所に戻って時間があればトップチームの練習サポート、15時からはサッカースクール、18時からはアカデミーの中高生の指導、練習終了後に事務所に戻ってきてトップチームの映像分析のサポートを行っていました。
「何のためにここにいるのか」という気持ちを常に持って、吸収できること・勉強できることはとにかくなんでも関わるようにしていました。部署同士の距離感が近いクラブということもあり、事務所での私のデスクは奇遇にもトップチームのスタッフの隣でした。常に近くでトップチームの監督・コーチの言動を感じることができ、トップチームへの憧れも醸成されていきました。
アカデミーのGK指導だけでなく、トップチームのサポート、サッカースクールなど普及のサポート、試合運営なども携わらせていただいたことで、サッカークラブの全体像を知ることが出来たことは、現在のベルマーレでも活きています。
2017シーズンからは、湘南ベルマーレで指導をさせていただいています。
湘南ベルマーレでは当初から育成の現場を中心に携わらせてもらっていますが、AC長野パルセイロでサッカークラブ全体についての理解を深められたことで、何のためにサッカークラブに育成部門が存在するのかを理解することが出来たと思います。
湘南ベルマーレには、U-15の年代別代表選手などもおり、中高生ながらプロフェッショナルな環境・考え方でプレーする選手たちの指導に携われたことは、指導者としての自分の成長にもつながっています。
直近の3年間では、U-15のEASTの監督として、3学年全体の統括、チームの指導、スタッフマネジメントなどを経験させてもらいました。今シーズンはその経験を活かし、U-14(中学2年生)を担当しています。
【これまでの経験で、印象に残っている出来事はありますか?】
2019シーズンは、U-18(ユース)のコーチとして1stチーム・2ndチームに関わり、1stチームは神奈川県リーグで優勝しましたが、プリンスリーグの参入戦で負けてしまい、選手はもちろん私自身もすごく悔しい思いをしました。
ただ、そのような一見ネガティブな場面でも、常に選手の成長を実感できるのは、指導者としての楽しみですね。
2022シーズンは、U-15EASTの監督2年目で、選手に恵まれて神奈川県リーグ1部優勝・関東リーグ昇格を達成することが出来ました。少しでもクラブの歴史に貢献できたことはすごく印象的でしたね。
今年(2024年)、湘南ベルマーレに来て1年目に携わった選手が大学4年生になりました。指導者として、子どもから大人になるまでの成長過程が見られていることが感慨深いですし、今もサッカーを続けてくれているというのは、とにかく嬉しいです。これは、指導者として長く続けていないと味わえない感覚だと思います。
【現在、S級コーチの養成講習会を受講されていますが、受講までの経緯を教えてください】
少し遡りますが、JAPANサッカーカレッジ在学中の2013年にC級コーチのライセンスを取得して卒業しました。B級コーチのライセンスは2016年に養成講習会を受講し、2017年に取得しました。当時はAC長野パルセイロに所属していましたが、あえて自分に力をつけるため長野県のB級コーチのトライアル(養成講習会を受講するための選考会)を経て受講に至りました。その後、A級コーチジェネラルのライセンスは、湘南ベルマーレからのクラブ推薦を利用させていただき2021年に養成講習会を受講し、2022年に取得しました。
A級コーチジェネラルを取得した後、1年間の期間を経てS級コーチの養成講習会受講のためのトライアル参加を希望し、クラブ内で手を挙げトライアルを受けさせていただきました。そして12月末のトライアルに無事合格し、今年度の受講に至っています。
一緒にS級コーチの養成講習会を受けている方々は、みなさん私よりも指導の経験が豊富な人や、選手としての実績を持っている方たちばかりです。
講習会を受ける前は、「S級同期の他の人と比べると、圧倒的に自分は経験が足りていない」と不安に思うことがありましたが、でも、指導者は指導者。僕なりに経験してきたことを臆することなく発揮することができていると思います。ただそれは、プロ選手キャリアのない僕だとしても指導者として受け入れてくれる度量をお持ちの方たちのおかげだと思うので、本当に感謝しています。同じく受講されている中村俊輔さんや、阿部勇樹さんの指導を見て感じるのは、選手に伝える『言葉の浸透度』がすごく高いということですね。
4月から11月までの期間で養成講習会を受け、その後、筆記試験・指導実践・口頭試験・国内研修・海外研修・研修レポートの審査を経て、無事通れば、ライセンスが認定されるのは最短で年末、海外研修の予定次第ですが、遅くても今年度末くらいになる予定です。
(後編に続く)
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宮寺さんへのインタビュー前編はここまで❗
後編では、『S級コーチライセンス取得後のビジョン』や『今でも心に深く残るJSCの先生の言葉』、宮寺さんが考える『プロサッカーコーチを目指すために必要なこと』など、気になる内容が盛りだくさん😘
次回の更新をお楽しみに💌
宮寺さんが学んだサッカーコーチ研究科の詳細は、コチラ
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